2013年10月2日水曜日

TOEFLライティングの戦術を伝授

先日、週末にTOEFLを受験しに行くという中国人3人、韓国人1人から頼まれ、TOEFLライティングの戦術を教えました。

果たして教えてほしいとは乞われたものの、TOEFLというのはそんな短時間で教えられるものではないし・・・と思っていたのですが、日本では半ば常識なようなことを伝えるだけでも大いに感謝されることとなりました。

先日、彼らに話した内容を、ここにも書いておくこととします。

まずTOEFLに限らず、テストでは、どのように採点されるかを知るのが第一でしょう。それを踏まえないで遮二無二勉強をするのは非効率というもの。

採点方法
TOEFLライティングでは、Integrated とIndependentが各1題、計2題が出題されます。その各問題は一人の人間の採点官と一台のコンピュータ採点(e-Rater)によって5点満点で採点されます。
さらに、人間採点官:3点とe-Rater:5点というように採点結果が2点乖離すると2人目の人間採点官が登場し、人間2人の採点結果が採用されます。(これはどこかで聞いた気がするのですが、出典を忘れてしまったので真偽は定かではありません)

人間採点官は、大半はカリフォルニアに住むマダム(大卒以上の学歴のある主婦の内職バイト)というのがもっぱらの噂です。マダムかどうかはさておき、アメリカ人が採点しているのはほぼ間違いないでしょう。

e-Raterはコンピュータです。もちろん、ある程度は内容の意味を解釈できるコンピュータですが、やはり、コンピュータが最もチェックしやすいのはワード数と文法です。いまどき、Wordですら文字数は常にステータスバーに表示されているし、スペルをミスると赤い下線、文法を間違うと青い下線がすぐに自動的に出てくるくらいです。コンピュータがチェックしやすいワード数と文法に採点の比重が置かれていると考えるのが合理的でしょう。


採点方法を踏まえたうえでの対策
まず、カリフォルニアマダム(アメリカ人)が理解しやすいことを書くべきです。「子供は運動をすべきである、ということに賛成か反対か?」という問題だとして、具体例として好きなスポーツの話をするとき野球かバスケの話をするべきです。(アメフトでも良いが、日本人でアメフトのことを語れる人は少ないでしょう。) 決して、柔道や剣道のエピソードを書いてはいけません。ソフトテニスもダメです。そうゆうことです。

次に、e-Raterから高スコアを獲得するために、ワード数を稼ぐことは重要です。Integratedでは300 words、Independentでは500 words以上書くべきです。そして、むやみやたらにスペルがあやふやな難しい単語を使うよりは、文法ミスを避けるためにシンプルな文法、スペルが確実な簡単な単語を使うべきです。

合計110点を目指していてライティング満点を狙っている人ならば難しい単語やイディオムもばしばし使うべきですが、70点~80点レベルの人で100点が目標だというならばライティングはまずは25点確保。そして25点確保が目的ならば難しい単語をアエテ使うことは全くもって不要です。 


語数稼ぎ対策
テンプレートを用意しておくのは当然として、特にIndependent(第2問)においてはテンプレートはStatement(出題文)そのものをイントロダクションで2回、まとめの段落でもう2回、計4回、使うようにするのが手っ取り早いです。コピペで使いまわすことで時間節約とワード数稼ぎを行います。

さきほどの例で言うと、 "子供は運動をすべきである."というのを4回、パラフレーズ無しのコピペで解答に書きます。
 
もちろん、さすがに4回使いまわすと人間が読むとしつこいと感じるかもしれませんが、大きな減点要因になるほどではありません。むしろ、ワード数が増えることによるe-Raterの加点要因になる可能性の方が高いと考えられます。もちろん、英文エッセーとしてはコピペで使いまわさずにパラフレーズした方が良いに決まっています。でも、TOEFL受験者の大半はたった30分でちゃんとパラフレーズできるような高い英語力を持っていないので、残念ながら出来ないことをやろうとするより、出来る方法の中でマシな方法を取るべきです。


コピペの方法
では、TOEFLのライティングでどのようにコピペをするか。
私が教えた4人全員が、これを知らずにTOEFLを何度も受けていたのは衝撃的でした。

TOEFLではキーボードショートカット機能は無く、マウス操作でのみ「カット」「ペースト」可能です。これは一回受ければ、気づくでしょう。

コピペをしようにも「コピー」ボタンはありません。しかし「カット」「ペースト」ボタンは使用可能なため、コピペをする際は「カット」→その場所に「ペースト」→コピペしたい目的の場所へ「ペースト」と、2回ペーストすることでコピペできます。

まぁ、慣れないと元々の場所にペーストし忘れたりして、本番で混乱してしまうこともあるので、TOEFL Practice Onlineなどで事前に練習しておくのが良いでしょう。 

ちなみに、カットしたものは絶対にクリップボードに入っているので、何かまずい操作をしてしまったと思ったら、落ち着いてまずはどこにでもよいのでいったんペーストをしましょう。 その後、落ち着いて不要な部分を消しましょう。焦ってさらにカットしてしまうと、前のクリップボードの中身が消えてしまい被害拡大します。


スコア算出方法
こんなことはオフィシャルガイドにもきちんと書いてあるのですが、それでも知らずに受験している人は少なくないようです。

前述のとおり、TOEFLライティングでは、Integrated とIndependentそれぞれが2人(一人と一台)の採点官によって5点満点で採点されます。つまり、まず5点満点の点数が4つ、でてくることになります。
この4つの点数の平均が30点満点のスコアに換算されます。

全部5点(平均5点)だと、スコア30点。
5・5・5・4でスコア29点
5・5・4・4でスコア28点
5・4・4・4でスコア27点
全部4点(平均4点)だと、スコア25点。
全部3点(平均3点)だと、スコア20点。

つまり、TOEFLライティングにおいて、26点というスコアは存在しえません。「ライティングの目標点数は26点です。」という人がいると、こいつはTOEFLのこと全然知らない奴だな、と思うわけです。
(訂正)2012年まではTOEFLライティング26点というスコアは存在しませんでしたが、2013年のどこかのタイミングから26点というスコアが出現するようになったとのことです。(01/2014 追記)


全部4点に比べて、5を一個でも取ると一気に2点アップの27点。5を取れるようになるかは、けっこう大きな差です。トップMBAに行くための最低ラインとされる105点を取るためには、ライティング28点は欲しいと考えるでしょう。

ただその一方で、合計の目標点数が100点以下ならば、考え方によってはライティングは25点で十分、と考えることもできます。
そうなると、5を狙う必要はない。4をしっかり揃えればよい、という戦術になってきます。

5を狙うとなると、Integratedならリスニングの詳細を一個たりとも落とさず、さらにしっかりパラフレーズする必要があったり、Independentでは最低でも500 Words以上必要になってきたりしますが、4確保目標ならばIndependentの方では400~450 Words程度でも十分です。

その違いはかなり大きく、それによって勉強リソース(時間・金)をどのセクションにかけるかも変わってくるでしょう。


私の使ったライティング指導サービス
Integrated      :WebTOEFL 
Independent  :父親Jackとその息子Johnが行っている添削指導サービス
                         CZ-TRAINING 



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1 件のコメント:

  1. こんにちは。
    元TOEFL Writing採点官、現役のアメリカの大学講師が丁寧にライティングの添削指導をいたします。
    是非ご覧ください。

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