ピッチとは、スタートアップ企業が、参加者(特に投資家)に向けて自社のサービスについてプレゼンテーションするイベント。東京で行われた準決勝を勝ち上がった日本初のスタートアップ6社による決勝戦でした。
$15でドリンク・軽食込みという参加費で400人くらいの観客が集まっており、日本人が2/3、アメリカ人ぽい外国人が1/3くらいなかんじの比率。日本企業であるが、もちろん司会進行・プレゼンテーション・質疑応答ぜんぶ英語。
ドリンクは、ワインなんかもあったけど、サッポロのビールと、伊藤園のお~いお茶がメイン。いま、ベイエリアでは、日本の飲料メーカーの中ではこの2社が圧倒的に目立っている。
ピッチイベントに参加するのも初めてで、正直プレゼンテーションの目的がイマイチ分からず。
日本でのサービス展開を目指しているのか、それとも海外展開のための資金調達を目的にピッチをしているのか・・・どちらなのかはっきりしませんでした。
そのせいで、審査委員は全員アメリカの投資家だったので、アメリカで成長する可能性のあるビジネスが上位になり、個人的に(アメリカで流行るかは知らんが)日本では面白そうだなーと思ったものは総じて上位に食い込んできませんでした。まぁそういう審査なのだからしゃーないか。
以下、出場6社の個人的な感想。
Akerun
家のドアの鍵にハコをくっつけて、それをスマホから操作して開け閉めできるようにする、というサービス。鍵の貸し借りをせず、スマホのアプリだけで鍵の開け閉めができるので、例えば「今日一日だけ使えるけど明日には無効になる鍵」とかが簡単に実現できる。家をAirBnBで貸すときとかはもちろん、来客が来たときにその瞬間だけ来客に鍵を提供して玄関まで迎えに行く手間をはぶくとか、普及したらいろいろなケースで使えて便利そう。
その”ハコ”は、既存の鍵を物理的に捻って開け閉めする機構がついているらしく、後述の仕組みが訳の分からんハイテク製品たちと比べて、なんともローテクなのがイイ! (スマホとの通信はBluetoothで、その通信のセキュリティはそれなりのハイテクなんだろうが。)
既存の鍵に後付けてハコを付けているだけなので、当然スマホが電池切れとかしたときは元々の物理的な鍵で開けられるというのも良い。
アメリカでは日本に比べて電子錠の市場はすでにそれなりにあるらしく、入賞しなかったものの、日本ではあまり無いサービスで今後面白いと思う。
Sansan
スタートアップというか、数年前から日本では結構普及してる気がする名刺管理サービス。個人向けにEightを提供している会社の法人向けサービス。プレゼンがコントみたいで一番面白かった。箱に大量の名刺を入れて持ってきて、「こんな中から探せねーーよ!!」みたいな。
質疑応答で、「社内で、部署ごとに見れる名刺についてセキュリティ権限を分けられるか?」の質問に対して、「今後は、名刺はすべてオープンにしていくべきです!!」と勢いで押しきっていた。金融機関のファイアウォール規制とかを念頭に置いた質問だと思ったのだが・・・。
名刺文化の日本では流行るだろうけど、名刺をあんまり使わないアメリカではそんなに需用ないんだろうな、というかんじだった。
FOVE
唯一の女性CEO&プレゼンター。目線によって操作が出来るゴーグルみたいなディスプレイ。ハイテクすぎてどうやって目線で操作ができるのか仕組みは理解不能。すごいハイテク技術が使われているんだろう。
全世界でさまざまな応用が期待できる技術で、ポテンシャルが高いと判断されたのか、はたまた女子力での加点があったのか、準決勝の順位を大きく覆しての逆転優勝。
英語のしゃべりもあんまり上手くなかったし(もちろん私よりははるかにマシだが)、質疑でも「どうやってこの装置を量産するんですか」(と私は理解した)質問に対して、自社サービスの展開の方針・方向性を答えていてまったくかみ合っていなかったりしたのに。
審査項目は「テクノロジー、ビジネスモデル、グローバル展開、ピッチスキル、ユーザーバリュー」の5項目なので、ピッチスキルが低くてもテクノロジーやグローバル展開でかなり高得点だったのかな。
CEOがソニー(PS4開発)出身ということもあるのか、当面はゲームでの利用をターゲットにしていくらしいが、ゲームにそんなに需要があるとは思えない・・・。体(手)の不自由な人のキーボード&マウスの役割であったり、様々な応用の可能性はすごくあると思うけど。
AgIC
どこの繋がりだか、「○○さんがいいネ!をしました」といってここのCEOのポストがFBの私のタイムラインにも何度か流れてきていた会社。電子回路をカンタンに作れるという特殊なインク。インクが電子回路になるなんて・・・専門的すぎてよくわからんハイテク製品。きっとその筋ではすごい価値があるんだろう。
東大卒で、あんまり海外とか行ってなさそうなのに、プレゼンも質疑も英語上手かったな。マッキンゼー出身だからか。
CafeTalk
スカイプで習い事、お稽古をするサービス。語学学習ではレアジョブやらスキマトークやら、先行勢が多くいるが、ここは語学だけに特化するのではなく、教えたい人さえいればどんなモノでいいというのがウリ。
ただ、スカイプを使うという制約がある以上、広い場所が必要なスポーツとかは映像が良く見えないから難しいだろうし、どういうコンテンツが需要あるのかあんまりイメージできず。ヨガとか、その場でやる運動ならいいのかな?料理とかも、キッチンにタブレットを持ちこんで習うようなものなのかな・・・。
どんなものを習うかは生徒(需要)と先生(供給)で決まるとして、こういうプラットフォームは確かにあると良い気はする。ここのCEOさんとは、一か月前に偶然飲み会で向かいの席になりお話伺ったので、応援しようと思う。
そういえば、12年くらい前の私が大学生で、スカイプも何もまだ無い頃、働いてた家庭教師センタがテレビ電話?を使ってのビデオ家庭教師のサービスを始めようとしていて、そのプロモーションビデオの家庭教師役をやるバイトをやったのを思い出した。あのPVが世に出たのかは知らないが…。いまどきは家庭教師とかもスカイプ経由でやってたりもするのかな?
KAIZEN Platform
ホームページのユーザインタフェース改善のサービス?特長が良く分からなかったし、類似のサービスはすでにいっぱいありそう。
プレゼンターに唯一、アメリカ人を起用してきて、プレゼンのしゃべりは当然上手かったが、自社サービスを完璧には理解できていない立場なのか、質疑応答の回答があんまり回答になってなかった。
大会の結果、およびライターによるちゃんとした紹介は、こちらの記事にて↓
視覚追跡機能を持つヘッドマウントディスプレイのFOVEが優勝ーー第7回SF Japan Night全6サービス
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